情実融資;銀行にコネがあれば借りられる?

「銀行にコネがあればお金を借りやすい」と考え、必死にコネを探している方もいるかもしれませんが、実際は無駄な労力になることがほとんどです。

過去には行員個人との人間関係や経済的関係を背景に、通常の審査基準を無視して融資が行われたケースも存在しました。

こうした融資は「情実融資」と呼ばれ、銀行側で禁止されています。

情実融資とは?

情実融資とは、金融機関が通常の信用審査や手続きを無視するか歪曲して、通常よりも審査基準を緩くすること(つまり手心を加えること)で、特定の個人や企業に便宜を図る形で行う融資を指します。

情実融資はなぜ問題なのか?

情実融資が問題視される理由は以下の通りです

  1. 公正性の欠如
    通常の審査基準を無視することで、他の顧客が不利益を被る可能性があります。本来、融資は信用力や返済能力に基づいて公平に判断されるべきです。
  2. 金融機関の健全性の損失
    返済能力の低い借り手に融資を行うことで、貸し倒れリスクが高まり、金融機関全体の経営に悪影響を及ぼします。
  3. 社会的信頼の損失
    金融機関が不公正な運営をしていると見られることで、社会的な信用を失いかねません。

処罰の対象になる可能性

日本では、情実融資に関与した場合、以下のような法律に抵触する可能性があります:

  • 銀行法:銀行の健全な運営を妨げる行為は処罰の対象です。
  • 贈収賄罪:融資の見返りとして金銭や利益が授受された場合、贈収賄罪に問われることがあります。
  • 背任罪:銀行役員が自らの利益のために不正な融資を行えば、背任罪に問われる可能性があります。

資金繰り.com編集部

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